モータースポーツの情報を配信する『motorsport.com』は、ドゥカティ・コルセのジェネラルマネージャー、ジジ・ダリーニャのインタビューを紹介。2024年シーズンに注目されるコンセッションに関して私見を述べ、『D』ランクに区別されたヤマハとホンダを支援する目的と意義を説明した。
マルク・マルケスの加入
「私の目標は勝つこと。ドゥカティが可能な限り長く勝ち続けるためにトライしなければいけません。これが仕事における目標であり、その意味で私は自己中心的ではありません。バイクが勝つだけでなく、ライダー、チームと一緒に勝つということです。我々はチームです。ライダー、またはバイクのどちらかが重要だと考えたことは決してありません。唯一重要なことは、シーズンの終わりにトロフィーを獲得するライダーがドゥカティ機を走らせたということです。」
チームオーダー
「これはスポーツです。つまり、スポーツマンらしい態度で行動すべきであり、アンフェアなことはできません。これが私の哲学の基礎であり、アンフェアをすると、バイクのパフォーマンスが制限され、ライダーの勝利が妨げられます。ホルヘ・マルティンは最後までタイトル獲得に向けて、全てのカードを持っていました。奇妙な操作は何もありませんでした。これがフェアプレーであり、スポーツマンシップを正しく解釈しました。」
フォーミュラワン
「ある時期までは大好きでした。今ではそれほどでもなく、全戦を観戦することはありませんが、その背後にある多くのテクノロジーに興味があることから、フォローしています。現在の『MotoGP™』で働く空力面のエンジニアは、『F1』の出身者が多く、航空学に次いで、『F1』は空力を最大限に表現しています。『MotoGP™』を完全に理解するには、まだ長い道のりがあり、まだ大幅に改善できると考えます。バイクに影響を与える可能性がある分野の全ての側面をまだ理解していません。」
コンセッション
「我々は反対しませんでした。実際のところ、助けるためには常に賛成してきました。私の観点から、コンストラクターが困難に陥っているときには、いつでも、成長できるように手を差し伸べ、勝利に近づくことができるようにすることは、公平なことです。」
「アプリリアとKTMに譲渡を与えることについては反対です。前者は2勝を挙げ、後者は終盤戦で多くの表彰台を獲得しました。彼らに優遇措置を提供しなければいけないのか理解できません。」
「我々がコンセッションを受け入れたのは、アプリリアとKTMの利点に対す意見の相違よりも、ヤマハとホンダを支援することが重要だと考えたからです。ホンダが『MotoGP™』から撤退することを決めたら、それは誰にとっても問題になるでしょう。ヤマハとホンダを助けるためには、他のメーカーに対する譲渡を承諾する必要があり、その意味で、我々は合意しました。ブランドの競争力が高まるほど、『MotoGP™』はより美しくなります。」
「大きな違いは、間違いを犯しても修正する可能性があることです。例えば、エンジンを開封したり、変更したりできます。我々は不可能ですが、コンセッションの待遇を受けるメーカーは、問題が生じた場合、エンジンを戻すことができます。我々はシーズン開始時にホモロゲーションを受けたエンジンでシーズンを終了させなければいけません。だからこそ、より保守的になる必要があります。単にテストの問題ではなく、さらに多くのリスクを冒す可能性もあります。空力面においては、我々よりも1つ多くのアップデートができ、もし我々が間違いを犯したら、それは問題となります。」
参戦22年目を迎えるドゥカティのレース部門、ドゥカティ・コルセは、2024年型のデスモセディチGPをドゥカティ・レノボ・チームとプリマ・プラマック・レーシング、2023年型をペルタミナ・エンドューロ・VR46とグレシーニ・レーシングに供給。3年連続4度目のトリプルクラウンを目指し、2月1日からのシェイクダウンテストとオフィシャルテストに参加する。